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賃貸管理の現場から

家賃設定をできるだけ低くする、という戦略?

先日、土地活用コンサルティングで携わらせていただいている案件のクライアント様より印象的なお言葉をいただきましたのでご紹介させていただきます。

私が個人のアパート経営考えていることでもあったのでなおさらでした。
どんな話だったかというと、
「家賃は高すぎず、相場で考えて手ごろな住みやすい設定にしてあげるのがいい。」
という内容です。


賃貸物件の新築の企画についての打合せの中でのことでしたが、このクライアント様は、新築だからといって相場より無理に高い家賃設定をするのではなく、反対に新築なのにお手ごろ感を出していきたい、ということだったのですね。

このように書くと、
「何でだよ。新築だからこそ、新築プレミアムがつくんだから高い家賃設定にしておかないともったいないじゃないか!」
というご意見があるかもしれません。

ですが、今回のクライアント様が考えておられるのは、

「できるだけ長〜く住んでもらえる賃貸物件」

です。

もちろん、どの大家さんでも、長期入居してもらいたい、と考えているはずです。
でも、今回ご紹介させていただいたクライアント様の何がすごいのかというと、その「徹底ぶり」がすごいのです。

家賃設定などは低く抑えているのは当然として、新築時から、
・礼金敷金0・再契約時は不動産会社の事務手数料のみ・ペットOK・エアコンフル装備
といった条件で設定していて、案の定、入居募集を開始して建物の引渡前、まだ工事がかなり残っている段階なのに入居申込が入ってきています。

傍で見ていて、
「そりゃー、決まるでしょ。」
という感じで、誰の目から見ても納得、という状況です。

確かに、新築時などは家賃設定を高くしていても入居は確かに決まってくると思います。
ただ、もしかすると、何かのきっかけで他の家賃が安い物件に移りたい、と入居者さんが感じてしまう場面はきっとあるはずですよね。

そのような可能性を考えると、長期的に見て、どちらが得か損か、ということは決めれないんじゃないかと思います。

急な転勤での引越などを除いて考えると、もしかすると、長期入居になるのは、手ごろ感のある賃貸なのかもしれませんね。

数年前、戸建賃貸を経営しておられる大家さん数名と対談したことがあります。
そのうちのお一人が、
「いえ、私は安く購入した戸建てをできるだけ安く賃貸したいんです!」
ということをおっしゃっていました。

その時、私は、
「何でそんなこと考えるんだろ。せっかく高利回りにできるチャンスなんだから家賃を高くとって儲ければいいのに・・・。」
と感じたのを覚えています。
今思えば、若かった、青すぎたかも・・・、とちょっと反省です。(^^
結局は、その大家さんがどのような方針でいくのか、によりますものね。

今回の例とは違い、短期で引越されてしまう可能性があると分かった上で家賃を高く設定するのは、もちろんそれはそれで正しい戦略だと思います。


新築の場合以外でも、かなりのリノベーションをして、家賃をどのように設定していくか、というのも同じ問題だと思います。

よく広告などでも、

「〜をしたら家賃が高くとれる!」

的なものがありますが、
「ほんとにそれでいいのかな?
と一歩距離を置いて、見てみるようにしたいところです。


★あえて手ごろな家賃設定にするのも一つの立派な戦略。

今回は家賃設定についてお話させていただきました。

何かの参考にしていただければ幸いです。

それではまた次回、「賃貸管理の現場から」をお楽しみに〜。

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