2枚舌を使う不動産会社に憤り
久しぶりに強い憤りを感じました。
何に腹が立ったのかというと、ある会員さんが仲介管理を任せている不動産会社の対応についてです。
先日会員のSさんが空室・管理相談で来社されました。
お話をお伺いすると、何でも初めて購入したマンションの空室がなかなか決まらず、複数戸空いてしまっている、というのです。
・リフォームはしっかり行なっているか?
・家賃は適正か?
・掃除はされているか?
・空室の情報公開はされているか?
といったことをお聞きしていくと、むしろ、リフォームなどはお金をかけてしっかりとされ、さらに、掃除もご自身でされるなど努力されておられることが分かりました。
最後に、広告料について、
「最近では広告料をだされないと入居募集すらしてくれない仲介会社もありますが、この点はいかがでしょうか?」
とお聞きしたところ、なんと、3か月分を広告料として管理会社に要求されている、ということでした。
私:「3ヶ月!?それはこのエリアではかなり高額だと思うのですが、その管理会社さんはしっかりと物件の情報を公開されているのでしょうか?」
Sさん:「はい、管理会社さんは情報を積極的に公開していると言っています。でも、内見がほとんどなく、また、問い合わせ自体も本当に少ないようなのです。
その管理会社は他社に広告料2ヶ月出すことで早く空室を埋めましょう、といっています。」
私:「分かりました。それでは、私も一客付け会社としてこの管理会社さんに空室の問い合わせをしてみます。疑うわけではありませんが、もしかすると、情報が抱え込まれてしまっているかもしれません。」
Sさんが帰られたあと、さっそく物件情報を検索してみました。
まずは、レインズ。
こちらに登録されているかどうかで情報がオープンにされているかどうかが分かります。
しかし、調べてみると案の定、掲載がありません。
続いて、賃貸ポータルサイトのアットホーム、Home's、Suumoなども検索です。
すると、物件情報がアットホームとHome'sで見つかりました。でも、気になるのが、空室情報をその仲介管理会社1社しか出していないこと。
もちろん、他社仲介店舗がそれぞれの裁量で物件情報を掲載する・しないを決めるのですが、それでもおかしいと感じました。
「これは間違いなく空室情報がブロックされているな・・・。」
最後に、裏をとるために問題の仲介管理会社に客付け会社として電話してみました。
「あのー、アットホームをみてお電話したのですが、○○という物件、ご紹介可能でしょうか?可能でしたら募集図面をFAXいただきたいのですが。」
すると、募集図面をFAXします、とは言われるのですが、30分待ってもFAXされてきません。
再度電話し、募集図面のFAXをお願いするのですが、それでも図面が送られてきません。
再度督促し、また、空室の写真撮影とポータルサイトへの掲載はできるかと聞いてみると、驚きの返答が・・・。
「すいません、今たてこんでいてまだ図面をお送りできていないんですよ。え?写真撮影とポータルサイトへの掲載ですか?すいません、こちらの物件、それはお断りさせていただいています。」
これはあまりにもひどい。
情報公開していないどころか、近隣不動産会社からの問い合わせを断ってしまっているのです。
仮に、募集図面が手に入ったとしても、近隣の不動産会社さんは店頭に募集図面を貼ったりするようなレトロな方法でしか入居募集できないことになります。
お部屋探しされる方のほとんどがインターネットで部屋の写真・画像をみて決める、と言われている今、このようなやり方では検索されることもありません。
それが分かっている近隣不動産会社もそんな手のかかる物件など募集しようとは思わないでしょう。
ただでさえ自社で空室をたくさん抱えている今の厳しい募集環境ではなおさらですよね。
情報公開せず、逆に他業者からの空室照会をシャットアウト。
にもかかわらず、オーナー様へは積極的に情報公開しているからと広告料を3ヶ月要求するこの管理会社はオーナー様に対して「詐欺行為」を働いているといっても言い過ぎではないと思います。
自社が儲けることだけしか考えない不動産業者。
ましてやSオーナーにとっては初めての不動産投資。
同じ業界に身をおくものとして、強い憤りを感じます。
おそらく全国には同じような被害にあわれているオーナーさんもまだまだ多いと思います。
何とかしたい・・・。
今、本心からそう思います。
★自分の空室がどのように募集されているか、見てみよう。仲介会社任せにするのではなく、オーナー側も積極的に意見していこう!
今回は空室相談から感じたことを書かせていただきました。
不動産業界の悪いところを告げ口しているような格好になってしまいましたが、どうしても書かずにはいられませんでした。
何かの参考にしていただけましたら幸いです。
それでは次回「賃貸管理の現場から」をお楽しみに!