住宅手当緊急特別措置事業
今年も残すところあと1週間になりました。
先週末から年末駆け込みといわんばかりに空室物件に立て続けに申込が入り、入居審査・契約書類作成業務をドタバタと行っています。
駆け込みで、特に年末の申込は入居者属性の点で心配なので、ここは保証会社なども活用しながら審査を進めました。
他の物件で家賃が払えなくなって部屋探しをしている方などだったら最悪ですものね。
つい先日、滞納保証会社と打ち合わせをしていたのですが、その担当者は、
「今、初期費用がどうこういうよりも、家賃の金額で物件が選ばれているようですよ。担当している仲介会社・管理会社のみなさんそうおっしゃいます。」
と話していきました。
話半分に聞くとしてもこのところの反応をみるにこれにはうなずかざるを得ないところです。
物件によっては約10%も家賃を下げたものもありました。
この経済情勢の悪化は入居募集に関してだけではなく、既存の入居者さんに対しても強く影響してきています。
給料ダウンやボーナスカットで家賃を払いたくても払えない、という方が本当に増えているのですね。
当社が管理している物件でも、毎月の滞納率20%という物件まででてきてしまっています。
これを受け、最近私が市役所やハローワークに行って調べていたのが、
「住宅手当緊急特別措置法」
です。
簡単にお話すると、職を失って求職活動しているにもかかわらず、なかなか仕事が見つからず、そのせいで家賃が支払えない方に都道府県が一定の家賃補助を行いますよ、というものです。
この内容をまとめたものを滞納率が高い物件の入居者さん全員に先日配布しました。
具体的には、下記のような感じです。
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ご入居様各位
いつも○○にご入居いただきましてありがとうございます。
本日は船橋市の「住宅手当緊急特別措置事業」についてご案内しました。
「住宅手当緊急特別措置事業」というのは、求職活動を行っているにもかからず仕事が見つからず、家賃の支払いが困難になってしまった方を対象に家賃補助を行う制度のことです。
もし失業などの理由で家賃支払いが難しいような状況がありましたら、ぜひこの制度をご活用いただければと思います。
経済情勢の悪化により、家賃支払いが難しいという方が大変多くなっております。
万が一このような状況になられた場合は、まずは当社までご一報ください。
当社との連絡を避けられることは事態をより悪化させるだけですのでご注意願います。
あなた様と一緒に○○アパートのよりよい住環境を作っていきたいと考えております。
なお「住宅手当緊急特別措置事業」についてご不明点などありましたら下記市役所もしくは当社までご連絡ください。
当社としましても可能な限りご協力させていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。
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今の時期、滞納があるからといって、支払いができないような入居者から無理やりに家賃を回収しようとするのは避けなければなりません。
精神的に追い込まれ、入居者が自ら命を絶ってしまうというような不幸なニュースを聞くようになりました。
大家側としてできることは、
・親身になって相談に乗ってあげる
・コミュニケーションを必要以上にとって入居者に変わりがないか確認する
・国や県の補助など入居者のために利用できるものはないか調べてあげる
といったことになるかと思います。
今の時期ほど入居者の気持ちをケアしてあげることが大切なときはないのかもしれませんね。
★苦しんでいる入居者がいないかどうか、今まで以上に物件と入居者に気を配ろう!その気遣いは必ずあなたに返ってきます。
今回は入居者と大家側との関係についてお話いたしました。何かの参考にしていただけましたら幸いです。
それでは次回「賃貸管理の現場から」をお楽しみに!