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賃貸管理の現場から

家賃相場は誰が決める?

今、賃貸市場では、入居者の動きが少ないと言われています。


法人需要が激減し、個人も引越しを控えているというデータもあります。


また、そもそも法人が転勤自体をさせない、ということも、大きい要因のようです。

このような状況は、景気が劇的に回復でもしない限り、当面続くものと思っています。

私はもともと生命保険会社に勤めていたのですが、景気が悪くなったときに家計で削られるのは、まず生命保険料、と言われていたのを覚えています。

毎月固定的に支払うもので差し迫った必要のないもの、というのが生命保険なのですね。

ところが、このごろ痛切に感じているのは、今明確に家計で削られているのは、
「家賃」なのではないか、ということです。



人間は、一度贅沢を覚えてしまうと、なかなか生活水準を下げられないもの、と言われていますが、“今”の実情としては、住む場所の水準を下げているのではないでしょうか。


「今と同じ広さで少しでも安いところを・・・。」


という傾向が多いように思います。


ただ、やっかいなのは、

・家賃は現状よりも下げたい。
・でも、仕様や設備はできるだけよい部屋がいい。
・広さも少なくても現状の広さは維持したい。

と、どの入居者も思っているところです。


となると、結局貸主サイドとしては、競合物件と同程度の設備なら、家賃を下げる他なくなってきてしまうのですね。

もちろん、やみくもに家賃を下げるのを提案しているのではなく、ある程度反応を見ながら初期費用を下げたり、更新料をゼロにしてみたり、または、礼金の分割払いを提案してみたりした上での話です。

というのも、

「動きが少ない」

「部屋探しをしている人の数自体が少ない」

と言われている賃貸市場ですが、本当にそうなのかなと思い、賃貸仲介会社に土日に電話してみると、けっこう忙しそうなのです。
(もちろん、どの店舗も忙しい、というわけではないと思いますが・・・)


「ひょっとして、部屋探しをしている方の数が少ないということが部屋が決まらない理由ではなくて、そもそもエンドユーザーから検索の対象になっていないのでは・・・?」

それで、ある空室物件で、オーナー様に正直に事情をお話し、家賃を少しずつ下げて、反応を試してみたところ、ある時点で問い合わせ件数がグンと増えたのです。

この「ある時点」というのは、「ティッピング・ポイント」と言われているものなんじゃないかと感じました。


「ティッピング・ポイント」というのは、

【ある1つのブランド商品の人気に火が付くきっかけとなる出来事】
(参考:マルコム グラッドウェル著「ティッピング・ポイント」

というのが厳密な意味のようですが、何となく、家賃についても、反応が最も多くなる瞬間というのが存在すると思うのです。

もちろん、これはエリアにもよりますし、時期にもよると思うのですが。


賃料の相場というのは、仲介会社が決めるものでも、貸主側が決めるものでもなく、エンドユーザーが作っているのだと思います。


エンドユーザーの声を無視して、独りよがりな家賃設定にならないようにすることが、今の時期、大切なことだと感じます。


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★一通り物件情報を公開したら、反応を冷静にカウントしてみよう。
もし反応がイマイチなら、あなたの物件は
そもそもエンドユーザーから相手にされていない可能性がある!

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今回は最近の賃貸市場についてお話ししました。何かの参考にしていただけましたら幸いです。


それでは次回「賃貸管理の現場から」をお楽しみに!

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