銀行の意外な融資審査基準
今回はコーヒーブレイクとして、自宅併用賃貸物件について
の最新トピックをお伝えいたします。
先月は東川口・横浜にて自宅併用賃貸物件の完成見学会
を行ったのですが、
・マイホームをこれから新築したい!
・でも、経済的負担を限りなく抑えたい!
・不動産投資の第一歩にしたい!
という方から多くのご参加をいただきました。
いただく質問には、
・どのような土地を探せばよいか?
・どのような建物を企画すればよいか?
・賃貸の部分でうまく入居募集できるだろうか?
といったものがありました。
もっとも多かったのは銀行融資に関するご質問。
「収入が下がってしまって、実は今これだけの収入しかない
のですが、ローンはおりるでしょうか?」
というご質問を数名からいただいたのですね。
返済比率(ローンに占める収入の比率)と予想される借入
金額(土地購入費・建物建築費などの総事業費相当額)
をご説明しました。
「では、正直なところ、私の収入ではあきらめるしかない
ということですね?」
と単刀直入にご質問される方に対して、今までは良いご返事
をできなかったのですが、最近は、
「現状ではなかなか難しいと思います。ただ、ある都市銀行
では、建築する自宅併用賃貸物件の「賃貸部分からの収入」
を融資審査の上での収入とみなしてくれるところがでてきま
した。ダメもとで打診されてみてはいかがでしょうか?」
とアドバイスするようにしています。
例えば、年収300万円の方が3000万円のローンを組もう
と融資を申し込んだとします。
返済期間30年、金利3%で考えると毎年の返済額は約150万円
です。
年収の約50%がローンということになり、多くの銀行がこれ
では返済が滞る可能性が高いと判断してしまいます。
返済期間を35年にしてもこのケースではローンが難しいと
思います。
しかしながら、もし自宅併用賃貸物件の賃貸部分から毎月10万円
の収入が見込まれるとすればどうでしょうか。
年収が420万円(見込み)となり、返済期間30年の例では
年収に占めるローン返済年額の比率は約35%となります。
返済期間35年の例ではもっと返済比率を低くすることが可能です。
これだと、年収が低かった場合でも、融資を引き出せる可能性が
かなり高まります。
私が今まで接した銀行ではこのような柔軟な審査基準をみせて
くれる銀行はありませんでした。反対に、
・償却年数が過ぎている物件は家賃収入0と見なし、でも、
ローン残高はそのまま借金と見なす
といった実態とはかけ離れた融資審査基準を示す銀行がほとんど
でした。
(もちろん、個人の属性によって、これは変わってくるとは
思いますが。。。)
その他、自宅併用賃貸物件の場合には、自己使用分が建物面積
の1/2以上でなければならない、と言われていたこともありまし
たが、
・1/3以上が自己使用分であれば住宅ローンを使えますよ
といった銀行もでてきています。
このようなことを組み合わせると、実質「タダ同然でマイホーム
を手に入れる」ことが意外に早く実現できるかもしれませんね。
ただし、土地から自宅併用賃貸物件を取得するには、それなりの
覚悟が必要と思います。
・不動産会社任せにせず、土地を自ら積極的に探す
・自己資金の準備があり、いつでも買い付けを入れられる状態
であることを示す
・冷やかしで問い合わせているのではなく、条件があえば今すぐ
建築したいという意向を示す
といったことを、不動産会社や工務店にしっかりとアピールして
おくことが最低限の条件になってくるのではないかと考えます。
もしある程度希望の土地が見つかっていて、でも、融資でひっか
かってしまって。。。というのでしたら、一度上記を参考にして
銀行に再アタックしてみられてはいかがでしょうか。
その際、以前ご紹介した、「実行金利を融資審査基準と見なす
銀行もある」ということをあわせて行動されるとよいかと思います。
★自宅併用賃貸物件を検討されている方に朗報。賃貸部分からの
家賃を収入合算してくれる銀行もある!?
今回はコーヒーブレイクとして、銀行審査基準について最近知った
ことをお話いたしました。
何かの参考にしていただけましたら幸いです。
それでは次回「賃貸管理の現場から」をお楽しみに!